6組の黒瀨です
2019年 年号が『令和』に変わった5月に同じ函南町から引っ越してきました。
『コンビニ人間』
村田紗耶香さんの芥川賞受賞作品『コンビニ人間』を読みました。
子供時代からずっとどこか普通ではないと思われてきた主人公は、コンビニでバイトをはじめマニュアル通りに動くことではじめて「世界の歯車になれた」と感じます。
小説を通じた大きなテーマは「普通とはなにか」なのですが、ちょっとしたディテール(一瞬)に魅力があります。
例えば、主人公が幼稚園生のとき公園で死んでいる綺麗な小鳥を見つけ、お母さんにこんな事を言う場面。「これ食べよう!お父さん焼き鳥好きだから、今日これ焼いて食べよう」という場面。
芸術(小説・絵画・映画)の魅力は、大きなテーマ(意味や物語)とちょっとしたディテール(細部、一瞬)の両方にあります。
人生も一緒かなと思います。
生きる意味、幸せの意味といった自分のパーパス(大きな物語)を大事にしながら同時に平凡な日常の中のちょっとした変化を楽しむ。
散歩中に気が付く四季の移ろい、いつもと違うコーヒーの香り、子供や関わりのある人の一言。
私は今、高校1年生の娘・小学6年生の息子の子育てをしながら、仕事に家事に、犬猫ボランティアと時々庭の多肉植物を眺めてみたり…毎日慌ただしく過ぎていっていますが何か一日に一つでもクスッと笑えるような気付きを感じながら楽しませもらっています。
みなさまにも今日一日。ちょっとしたクスッと笑えるような気付きがありますように…
『一日一生』 2025年7月 黒瀨 直